1: 名無しさん@おーぷん 2014/11/09(日)15:50:10 ID:IObcQwpHH

「それであなたはどこの部活に入部をするか、まだ決めていないのね?」と
和はいくぶん批難するような口調で言った。でもそれは、別段おかしなことではない。
彼女は僕の相手をするときは、いつも同じような口調で話しかけてくるのだ。
僕はうなずく。
それから手に握ったボールペンの先で、何かの『しるし』みたいに三度ほど机を叩いてみせた。
和は僕のペン先をじっと見つめると、またため息をついてから口を開いた。
「学校が始まってから、二週間も経っているというのに」
「そのとおり」と僕は言った。「でも実際のところ、どこの部活もあまり魅力的には思えないんだ。
運動はもともと得意じゃないし、文化系のクラブも名称と活動内容との間に乖離を感じることが多い」

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2: 名無しさん@おーぷん 2014/11/09(日)15:50:43 ID:IObcQwpHH
和はわざとらしくため息をつくと、わかったわと言った。
「こうしてニートが出来上がっていくのかもしれないわね」
「あるいは」と僕は言った。
「でもね、唯。一ついいかしら?」と和は言った。「あなたは確かにこれまで何の部活にも所属してこなかったし、
何の活動にもおよそ本腰を入れて活動をしてきたことがなかった。
それは一つの事実であると同時に、しかしあなたが受け止めるべき一つの『傷』でもあるの」
「傷」
「傷よ」と和は言った。「それはいつかあなた自身を苦しめることになる。きっと」
「こうしてニートが出来上がっていくのかもしれないわね」
「あるいは」と僕は言った。
「でもね、唯。一ついいかしら?」と和は言った。「あなたは確かにこれまで何の部活にも所属してこなかったし、
何の活動にもおよそ本腰を入れて活動をしてきたことがなかった。
それは一つの事実であると同時に、しかしあなたが受け止めるべき一つの『傷』でもあるの」
「傷」
「傷よ」と和は言った。「それはいつかあなた自身を苦しめることになる。きっと」
5: 名無しさん@おーぷん 2014/11/09(日)15:52:08 ID:IObcQwpHH
「部活に入らなかったことが、かい?」
和はうなずいた。何かを証明するように、とても慎重に重たくうなずいた。
「それをあなたはいつかきっと実感することになる。そしてそのことによって酷く苦しめられることになる。
だから悪いことは言わない。いい? きっと部活に入りなさい」
僕は肩をすぼめてみせた。
和は目を閉じて静かに首を横に振った。
和はうなずいた。何かを証明するように、とても慎重に重たくうなずいた。
「それをあなたはいつかきっと実感することになる。そしてそのことによって酷く苦しめられることになる。
だから悪いことは言わない。いい? きっと部活に入りなさい」
僕は肩をすぼめてみせた。
和は目を閉じて静かに首を横に振った。
6: ヤサ充◆RVo0fdfIexwy 2014/11/09(日)15:52:49 ID:Zpow8Wy72
おお、なんか村上春樹だ!
国語の文章題で読んだことあるだけだけど!
国語の文章題で読んだことあるだけだけど!
7: 名無しさん@おーぷん 2014/11/09(日)15:53:01 ID:IObcQwpHH
和が僕の前から姿を消したのはその翌日のことだった。
彼女は忽然と、まるでダストシューターに投げ込まれた生ごみみたいに、呆気無く僕の前から姿を消した。
だけれども僕はこれといって動揺はしなかったし、そのことについて心を激しく痛めるようなこともなかった。
彼女が遠くない未来に僕の前から姿を消してしまうということは、ほとんど『予定調和』にすら思われた。
彼女は消えるべき存在だったのだ。あるいは彼女は消えてこそ、本来的な価値を得るものだったのだ。
僕はそれを、ごく自然に理解していた。
そして同時に、彼女が永遠に僕の前に戻ってこないであろうことも、
僕はとてもよく理解していた。それは月曜日の次が火曜日であることのように確実で、普遍的なものごとですらあった。
8: 名無しさん@おーぷん 2014/11/09(日)15:56:13 ID:IObcQwpHH
僕は昼食のサンドイッチを食べると、掲示板を確認するために校舎の外へと出ることにした。
掲示板には部員募集をしている部活動のポスターが貼り付けられている。
僕はその中の『軽音部』というポスターに目を留めると、口から小さく息を吐き出した。
取り立てて印象的な配色であったわけでも、あるいは奇抜であったり下品であったりしたわけではない。
それでもそのポスターは何かしら僕の『中枢』を刺激するキッチュさを保持しており、
僕は目を留めないわけにはいかなかった(世の中にはそういう種類のポスターというものが、確かに存在しているのだ)。
僕はポスターを見つめながら制服の胸ポケットに手を伸ばし、最後の一本だったマールボロを取り出し火をつけた。
掲示板には部員募集をしている部活動のポスターが貼り付けられている。
僕はその中の『軽音部』というポスターに目を留めると、口から小さく息を吐き出した。
取り立てて印象的な配色であったわけでも、あるいは奇抜であったり下品であったりしたわけではない。
それでもそのポスターは何かしら僕の『中枢』を刺激するキッチュさを保持しており、
僕は目を留めないわけにはいかなかった(世の中にはそういう種類のポスターというものが、確かに存在しているのだ)。
僕はポスターを見つめながら制服の胸ポケットに手を伸ばし、最後の一本だったマールボロを取り出し火をつけた。
9: 名無しさん@おーぷん 2014/11/09(日)16:03:19 ID:IObcQwpHH
僕は『軽音部』と頭のなかで考えてみた。
すると僕の頭はほとんど瞬間的に一匹の羊の幻影に囚われた。
羊は広い草原の上に、器用に二本の足で立ち、僕に向かって笑みを浮かべていた。そして両手を叩き合わせている。
疑問に思った僕は羊に対し「何をしているんだい?」と尋ねてみた。
羊は「軽音楽だよ」と答えた。迷いのない口ぶりだった。
すると僕の頭はほとんど瞬間的に一匹の羊の幻影に囚われた。
羊は広い草原の上に、器用に二本の足で立ち、僕に向かって笑みを浮かべていた。そして両手を叩き合わせている。
疑問に思った僕は羊に対し「何をしているんだい?」と尋ねてみた。
羊は「軽音楽だよ」と答えた。迷いのない口ぶりだった。
10: 名無しさん@おーぷん 2014/11/09(日)16:04:25 ID:UbG3oOVus
常に小物で「俺のセンス最高www」ってアピールする様子は紛れもないハルキスト
11: 名無しさん@おーぷん 2014/11/09(日)16:05:37 ID:IObcQwpHH
「君が手に持っているそれは何だい?」
「ミハルスだよ」と羊は言った。「君たちはカスタネットと、呼ぶことが多いかもしれない。
いずれにしても同じようなものさ。叩けば音がでる。原理に何一つ難しいことなんてない。音が出れば救われる」
「音が出れば『傷』にはならない」
「『傷』を恐れるのならば、ね」
僕はうなずいた。「君は、僕が軽音楽をやるべきだと、そう考えているんだね?」
12: 名無しさん@おーぷん 2014/11/09(日)16:10:44 ID:IObcQwpHH
「どうだろう」と羊は答えた。「私は実際のところ、どちらでもいいと思っている。
君が軽音楽に興味をもったのならやればいいと思うし、そうでないならやめればいい。
オーストラリア人に混じってクリケットをしてもいいし、
あるいはヘルメットを被って学生運動に身を投じてみるのもいいかもしれない」
「あいにく、学生運動に興味はないんだ」
君が軽音楽に興味をもったのならやればいいと思うし、そうでないならやめればいい。
オーストラリア人に混じってクリケットをしてもいいし、
あるいはヘルメットを被って学生運動に身を投じてみるのもいいかもしれない」
「あいにく、学生運動に興味はないんだ」
14: 名無しさん@おーぷん 2014/11/09(日)16:16:57 ID:IObcQwpHH
「知っているよ」羊は当然のことのように言う。「私は何でも知っている。君に纏わることならば、なんでもね」
「僕は軽音楽をやってみようとおもうよ」
「そうかい」羊はどちらでもよさそうにうなずいた。「そうしたいならそうすればいい。
私は止めることもしなければ、勧めることもしない。すべては君の道だ」
「ありがとう」
「僕は軽音楽をやってみようとおもうよ」
「そうかい」羊はどちらでもよさそうにうなずいた。「そうしたいならそうすればいい。
私は止めることもしなければ、勧めることもしない。すべては君の道だ」
「ありがとう」
15: 名無しさん@おーぷん 2014/11/09(日)16:17:44 ID:IObcQwpHH
僕はその日のうちに入部届を書き上げると担任の教師に提出をした。
担任の教師はパスポートをチェックするオーランド空港のクルーみたいに
極めて実際的で事務的な態度で僕の入部届を確認すると、
さっそく今日から部活に参加してみたらどうだと言った。僕はわかったと言った。
担任の教師はパスポートをチェックするオーランド空港のクルーみたいに
極めて実際的で事務的な態度で僕の入部届を確認すると、
さっそく今日から部活に参加してみたらどうだと言った。僕はわかったと言った。
16: 名無しさん@おーぷん 2014/11/09(日)16:18:15 ID:IObcQwpHH
部室の入り口では、僕の噂を聞きつけたのだろう一人の女性が待っていた。
女性は僕の姿を確認すると小さく微笑み、少しばかり目を輝かせた。
黄色いリボンで髪を留めているせいで額が顕になっており、
それは僕にバスタブいっぱいに詰まったつるつるのゆでたまごを連想させた。
女性は僕の姿を確認すると小さく微笑み、少しばかり目を輝かせた。
黄色いリボンで髪を留めているせいで額が顕になっており、
それは僕にバスタブいっぱいに詰まったつるつるのゆでたまごを連想させた。
17: 名無しさん@おーぷん 2014/11/09(日)16:40:49 ID:8U6JXLkrM
18: 名無しさん@おーぷん 2014/11/09(日)16:41:52 ID:4hd56m6xx
>>17
奇遇だな、俺と同じこと考えてる
奇遇だな、俺と同じこと考えてる
19: 名無しさん@おーぷん 2014/11/09(日)16:43:33 ID:YsrzMTR4V
村上春樹のモノマネって定期で来るけどこれは評価するわ
20: 名無しさん@おーぷん 2014/11/09(日)16:48:14 ID:IObcQwpHH
「あなたが入部希望者の『平沢唯』さんね」
僕はうなずいた。
すると女性はどことなく得意げな表情で微笑んだ。「『テンポが悪くて使えないドジなあなた』が、入部してくれるのね?」
僕は肩をすぼませた。「酷い言われようだ」
「でもあなたの実態に則している」
「あるいは」と僕は言った。「ところで君は、どこで僕の実態を把握したんだい?」
「職員室で見掛けたのよ、それだけ」
「それだけ?」
「そう――」女性はうなずいた。「それだけ。でもわかるの、私にはね」
21: 名無しさん@おーぷん 2014/11/09(日)16:48:45 ID:IObcQwpHH
僕は部室の中に案内されると間もなく紅茶とケーキを差し出された。
紅茶はおそらくクオリティシーズンのダージリンファーストフラッシュ。
非常に香り高く、鼻を抜けるような爽やかさがあった。きちんと手順を守り丁寧に抽出をしないと、決して演出すことのできない味わいだ。
一方のケーキは作ってから一週間ほど寝かせたダンキンドーナツのような酷い味がした。
僕はわずかに顔をしかめると、慌てて口の中のケーキを紅茶で流し込んだ。
22: 名無しさん@おーぷん 2014/11/09(日)16:50:02 ID:IObcQwpHH
部室には先ほどの黄色いリボンの女性以外にも二人の女性がいた。
一人は真っ直ぐなロングヘアをした黒髪の女性で、
もう一人は手入れを怠った牧草地みたいな眉毛をした女性だった。
一人は真っ直ぐなロングヘアをした黒髪の女性で、
もう一人は手入れを怠った牧草地みたいな眉毛をした女性だった。
24: 名無しさん@おーぷん 2014/11/09(日)17:10:20 ID:IObcQwpHH
「平沢さんはどんなバンドが好きなの」と先ほどのリボンの女性が僕に尋ねた。
他の二人も、興味深そうに僕の回答を待っていた。
僕はしばらく考えてから「ストーンズ」と答えた。「それにビートルズ、ディープ・パープルもたまに聞くよ。
オアシス、U2、デュランデュラン……でも正直に言ってどのバンドが特別に好きということはない。
僕にとって音楽というものは常に激しいローテーションの中にあるんだ。いわば季節みたいに」
「紅茶の茶葉みたいに」
「そのとおり」僕はうなずいた。「時期によって流転していくものなんだ」
25: 1 2014/11/10(月)01:40:13 ID:Xiof8nAN9
「なら――」とリボンの女性は言った。「好きなギタリストはいるの?」
「とても難しい質問だ」と僕は言った。「でも好きな猫の種類なら言える」
「猫?」
「そう、猫。僕は雨の日の昼下がりに、窓の外を見つめながら寝返りをうっているスコティッシュフォールドが好きなんだ。
それは何よりの自由の象徴で、しかし制約された社会の不平等でもある」
「あなたって変わった人ね」
「どうだろう」
「でも、とっても素敵よ」
ありがとう、と僕は言った。
「とても難しい質問だ」と僕は言った。「でも好きな猫の種類なら言える」
「猫?」
「そう、猫。僕は雨の日の昼下がりに、窓の外を見つめながら寝返りをうっているスコティッシュフォールドが好きなんだ。
それは何よりの自由の象徴で、しかし制約された社会の不平等でもある」
「あなたって変わった人ね」
「どうだろう」
「でも、とっても素敵よ」
ありがとう、と僕は言った。
26: 1 2014/11/10(月)01:40:43 ID:Xiof8nAN9
その後、彼女たちは僕に簡易的な演奏を見せてくれた。
曲目はT.レックスのイージー・アクションだった。
きっと"20th century boy."を演奏しなかったのが、彼女たちなりの精一杯のプライドだったのだ。
彼女たちの演奏はごく控えめに言って聞くに耐えないものであったけれども、
僕は終始指でリズムを取りながら耳を傾けた。彼女たちは演奏が終わると僕に感想を求めてきた。
曲目はT.レックスのイージー・アクションだった。
きっと"20th century boy."を演奏しなかったのが、彼女たちなりの精一杯のプライドだったのだ。
彼女たちの演奏はごく控えめに言って聞くに耐えないものであったけれども、
僕は終始指でリズムを取りながら耳を傾けた。彼女たちは演奏が終わると僕に感想を求めてきた。
27: 1 2014/11/10(月)01:41:05 ID:Xiof8nAN9
「どうだったかしら?」とリボンの女性が言った。
僕は「よかったよ」と言った。「アウシュヴィッツの中みたいに閉鎖的で、だけれどカティーサークのように底抜けていた」
「あなたって本当に変わってるわね」
「ひねくれてるんだ」
「そんなことないわ」と女性は首を振った。「ただ、欠落しているだけよ」
「そうなのかもしれない」と僕は言った。
僕は「よかったよ」と言った。「アウシュヴィッツの中みたいに閉鎖的で、だけれどカティーサークのように底抜けていた」
「あなたって本当に変わってるわね」
「ひねくれてるんだ」
「そんなことないわ」と女性は首を振った。「ただ、欠落しているだけよ」
「そうなのかもしれない」と僕は言った。
28: 1 2014/11/10(月)01:42:11 ID:Xiof8nAN9
彼女たち三人が僕の前から姿を消したのは、それから三日後のことだった。
部室には彼女たちの残した楽器が、まるでノモンハンに置き去りにされた兵士のヘルメットみたいに
悲しげに転がっていた。僕は誰もいない部室で彼女たちが残した楽器に触れてみた。
するとまたも、僕はかの羊の幻影に襲われた。
部室には彼女たちの残した楽器が、まるでノモンハンに置き去りにされた兵士のヘルメットみたいに
悲しげに転がっていた。僕は誰もいない部室で彼女たちが残した楽器に触れてみた。
するとまたも、僕はかの羊の幻影に襲われた。
29: 1 2014/11/10(月)01:42:55 ID:Xiof8nAN9
羊は僕に言った。「君はとても後悔しているんじゃないかな?」
「後悔。どういう意味だろう?」
「『傷』についてだよ」
「傷」と僕は初めて聞く英単語を読み上げるみたいに言った。
羊はうなずいた。「君はこれからも、ずっとそうやって失い続けていく。
何を手に入れても、あるいは何を手に入れた『つもり』になっていても、
そうやって永遠に零れ落ちる人生を歩んでいくことになる。
それはすべて『傷』が原因だ。君が『傷』を克服しようとしない限り、君の喪失は永遠に続いていく」
「後悔。どういう意味だろう?」
「『傷』についてだよ」
「傷」と僕は初めて聞く英単語を読み上げるみたいに言った。
羊はうなずいた。「君はこれからも、ずっとそうやって失い続けていく。
何を手に入れても、あるいは何を手に入れた『つもり』になっていても、
そうやって永遠に零れ落ちる人生を歩んでいくことになる。
それはすべて『傷』が原因だ。君が『傷』を克服しようとしない限り、君の喪失は永遠に続いていく」
30: 1 2014/11/10(月)01:43:18 ID:Xiof8nAN9
「喪失が続く」
「それが嫌であるのなら」と言うと、羊はミハルスを叩いた。「君は『傷』を癒やさなくてはいけない」
「どうやって?」
羊はミハルスをもう一度叩いた。そしてそれっきり二度と口を開くことはなかった。
「それが嫌であるのなら」と言うと、羊はミハルスを叩いた。「君は『傷』を癒やさなくてはいけない」
「どうやって?」
羊はミハルスをもう一度叩いた。そしてそれっきり二度と口を開くことはなかった。
31: 1 2014/11/10(月)01:43:50 ID:Xiof8nAN9
あれから十五年の月日が経過し、僕は冬のサンタルチア駅にいた。
鼻の先が凍りそうな寒さの中、僕はダッフルコートに両手をしまったまま改札口を見つめていた。
すると一人の女性が歩いてきた。女性はパステルピンクをしたグッチのファーコートに身を包み、
マライア・キャリーみたいなサングラスを掛けていた。
彼女は僕の姿を見つけるとサングラスを持ち上げ、僕に小さく会釈をした。
サングラスの向こうに見えた瞳は、僕が予想していたものよりもずっと小さくて、はかなげであった。
鼻の先が凍りそうな寒さの中、僕はダッフルコートに両手をしまったまま改札口を見つめていた。
すると一人の女性が歩いてきた。女性はパステルピンクをしたグッチのファーコートに身を包み、
マライア・キャリーみたいなサングラスを掛けていた。
彼女は僕の姿を見つけるとサングラスを持ち上げ、僕に小さく会釈をした。
サングラスの向こうに見えた瞳は、僕が予想していたものよりもずっと小さくて、はかなげであった。
33: 1 2014/11/10(月)01:44:26 ID:Xiof8nAN9
「本当に来たのね」と女性は言った。
僕はうなずいた。「そうする必要があったんだ」
「本当かしら」
「本当だよ」
「なら、唯」と彼女は言った。「覚悟はできているということなのね。もう後戻りはできないわよ」
僕はうなずいた。
それからはっきりとした口調で告げた。
「ようやく決心がついたんだ。軽音楽をやってみよう、って」
《 けいおん 完 》
僕はうなずいた。「そうする必要があったんだ」
「本当かしら」
「本当だよ」
「なら、唯」と彼女は言った。「覚悟はできているということなのね。もう後戻りはできないわよ」
僕はうなずいた。
それからはっきりとした口調で告げた。
「ようやく決心がついたんだ。軽音楽をやってみよう、って」
《 けいおん 完 》
35: 名無しさん@おーぷん 2014/11/10(月)01:48:04 ID:vKP6brbgm
乙
36: 名無しさん@おーぷん 2014/11/10(月)03:18:23 ID:0Di9VZm4U
これすげぇわ
37: 名無しさん@おーぷん 2014/11/10(月)11:13:26 ID:yZLDkQM4t
引用元: http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1415515810/


1 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 02:24 ▼このコメントに返信 春樹読んだことないけどおもしろかった
2 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 02:40 ▼このコメントに返信 村上は左巻きだからあんま好きになれんな
ノーベル賞なんて与えたら大江健三郎の二の舞になるのは目に見えてる。
世界に向けて日本批判を発信だ。
3 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 02:44 ▼このコメントに返信 俺春樹だけどおもしろかった
4 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 02:53 ▼このコメントに返信 ※2
君の発言が世界に発信される方が日本国として恥だ
5 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 03:06 ▼このコメントに返信 あーやっぱ俺村上春樹はどうも好きになれないなっていうのを再確認出来たわ
途中でエロ入れたら完璧だったのに
6 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 03:08 ▼このコメントに返信 けいおんがこんなにもイライラする文体に早変わりするとは
なかなかの再現度
7 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 03:34 ▼このコメントに返信 いろいろ消えすぎワロタ
8 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 03:39 ▼このコメントに返信 >>2
世の中のものを全部左右で評価するのってしんどくない?
9 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 03:39 ▼このコメントに返信 やっぱ村上春樹って文才ないわ
10 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 03:49 ▼このコメントに返信 小説家のw村上
どっちも嫌い
11 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 03:51 ▼このコメントに返信 この>>1に作家の才能があるかどうかは分からないが、同人作家の才能は間違いなくあるな
12 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 03:57 ▼このコメントに返信 うわぁすごいな、完全に村上春樹文体
西尾維新なんかでもそうだけど、文体に酔っぱらえる感じがあるね
ファンにはたまらないんだろうな…俺は目眩がするけど
13 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 04:00 ▼このコメントに返信 毎年文学賞の時期になると春樹春樹言い出すのマジで寒いからやめろ
絶対取らないから
取れると思う意味が分からん
春樹しか騒げる奴いないのが悲しい
それに毎年公房なんで死んだんだよってなるからやめろ
公房が取れなかったのは文学界にとって大きな損失だったな
14 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 04:05 ▼このコメントに返信 ※13 w
15 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 04:19 ▼このコメントに返信 上手いね。本当に上手く村上春樹だ。そしてイライラする。やっぱり村上春樹だわ
16 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 04:58 ▼このコメントに返信 「あるいは」好き過ぎだろw
17 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 05:20 ▼このコメントに返信 あらためて、海外でハルキに人気がある理由がわかったわ。
いかにもそのまま英文に訳しやすそうな文体、というか、
英文を直訳した受験生の解答文みたいな、カタくてこなれてなさそうな日本語やね。
18 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 05:24 ▼このコメントに返信 すげぇ!このウザさ本物みたい!
途中から読んでられなくなるのも本物そっくり!
19 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 05:35 ▼このコメントに返信 一つ事象を表現するのに長ったらしく理解しにくい言い回しを使う事が日本文学って事?
20 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 05:55 ▼このコメントに返信 ※13
ここでまさかの安部公房の名前を聞くとは思わなった
幽霊はここにいるとかは戯曲としても近年最高峰だと思う
って言うか村上春樹の作品読んだことないから知らんけど、もしこれと文体やら何やらが似てるなら、村上作品ってまさしく「ライトノベル」じゃん
これでノーベル文学賞取れると豪語する方々に一度、これは村上春樹の最初期の作品だ、とか言って適当に似たような文体のライトノベル渡してみたい
絶対礼讃してくれるはずだわ
21 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 05:59 ▼このコメントに返信 米18
僕もそうだった、彼の本を買わなかった事の理由が分かった気がした。
次ぎは聖書っぽいので願う。多分 初っぱなの系図で飽きるパターンを再現してほしい。
22 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 06:04 ▼このコメントに返信 >一つ事象を表現するのに長ったらしく理解しにくい言い回しを使う事が日本文学って事?
うんにゃ、違う。
しいて言うなら、これは「村上文学」ってやつじゃね。
>紅茶はおそらくクオリティシーズンのダージリンファーストフラッシュ。
ここはよかったw
村上作品は読んだ事はないけど、なんか村上が書きそうな感じがする。
まるで〜〜のようだっていう表現の多用がオリジナルでもそうなら、確かにラノベに近いものはあるのかもしれないな。
とはいえ、一冊も読まずに批判するのもアレだし、
これだけ売れるからにはなんかしらの理由もあるのだろうから、
ハルキニストがいれば、「これぞ村上春樹の真髄!」という一冊を教えて欲しいです。
23 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 06:08 ▼このコメントに返信 あんま春樹っぽくない。
最近の作品は読んでないけど。
24 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 06:31 ▼このコメントに返信 さすがにライトノベル渡してってのは馬鹿にしすぎだなぁ
あの気障ったらしい文体が鼻につくってのはよくわかるけど、実際、文章は卓越して上手いよ
ウザさも言い換えれば個性的な味だしね
※22
らしいっていうなら海辺のカフカかな
好きなのは羊をめぐる冒険
俺ハルキニストでもなんでもないけど
25 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 06:46 ▼このコメントに返信 4レスも読めちゃったから村上春樹には程遠い
文章で人の心を動かすという意味では間違いなく天才なんだろうと思う
プラス方向に動かされる人が多いらしいのが不思議でしょうがないが
26 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 06:54 ▼このコメントに返信 ※8
高校生なんだからタバコはダメでしょw
27 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 07:05 ▼このコメントに返信 やれやれはどこだ!薄っぺらさは正確に表現されている。
28 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 07:15 ▼このコメントに返信 村上春樹に対するお前らのパターンのなさ
29 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 07:18 ▼このコメントに返信 お前らは村上春樹嫌いアピールをせずにはいられないよね
30 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 07:29 ▼このコメントに返信 文体は内容にあってることが大事なんだなと思った。
米22
そういう意図で読むなら短編集がいいんじゃない?
いくら「これが真髄」と言われても1Q84みたいな大長編を読む気にはなれんだろう。
個人的にはパン屋再襲撃とか,象の消滅あたりが「春樹らしい」かんじがする。
長編となったものの前身の短編とか,試験的に書いたんだろうなという短編があるから
村上春樹作品のサンプルとしては適切だと思う。
ちなみに短編は好きだけど長編嫌いな人も多い。長編はよくも悪くもあくが強い。
31 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 07:36 ▼このコメントに返信 村上春樹のクソさがわかった
32 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 07:41 ▼このコメントに返信 ≫ ※5 途中でエロ入れたら完璧だったのに
なお、毎回女性優位で展開する模様
33 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 07:56 ▼このコメントに返信 村上春樹の文体って特徴あるから真似やすいよね。
34 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 08:04 ▼このコメントに返信 本物なら軽音楽部に辿り着くまでにあと20ページは使うだろ。
35 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 08:05 ▼このコメントに返信 手入れを怠った牧草地みたいな眉毛好き
36 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 08:18 ▼このコメントに返信 米28
村上春樹自体にパターンがない。少女漫画的。
37 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 08:26 ▼このコメントに返信 さりげなく唯が喫煙してるのに草
38 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 08:41 ▼このコメントに返信 村上作品は読んだことないけど、っていう前提で村上作品批判してる奴ばっかでワロタ。
村上作品読んだことないけど。
39 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 08:46 ▼このコメントに返信 羊が出てきてニヤっとした。
初期作品の特徴が良く表現出来てると思う。
40 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 09:04 ▼このコメントに返信 唯が僕ッ娘なのに萌えた
41 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 09:06 ▼このコメントに返信 ひっ…村上春樹ってこんな感じなの?寒い書き方で何故か気持ち悪い。これじゃノーベル賞なんて貰えるわけない。
42 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 09:12 ▼このコメントに返信 僕が初めて楽器を弾いた時、誰もがうるさいとなじるような騒音だったとしても
それがある種の衝撃であるのは方向性の違いに過ぎないだろう。
やれやれ、僕は潮吹いた。
43 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 09:20 ▼このコメントに返信 高校生がマールボロ吸っちゃいかんでしょ…
44 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 09:27 ▼このコメントに返信 村上春樹作品を読んだことないが、
記事のような文体はイメージまんまだわwww
独特かつ何かセンスを感じさせる様な書き方は
一部層に人気出るわけだ。
45 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 10:13 ▼このコメントに返信 射精してないから村上春樹じゃない
46 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 10:22 ▼このコメントに返信 しんどいわw
47 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 10:34 ▼このコメントに返信 副島隆彦の『説得する文章力』で初期の村上は良い文の例としてあげられてたな
今ではさっぱりダメになったと酷評してるけど
48 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 11:45 ▼このコメントに返信 春樹は読んだことないけど、きっついなあ
こんな自惚れの強い文章で、相当数のファンが付くのが信じられん
それだけ日本にはナルシストが多いってことか・・・
49 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 11:51 ▼このコメントに返信 いやこのSSは村上春樹が書いたものではなからね
50 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 12:06 ▼このコメントに返信 春樹とは何かが決定的に違う。もちろん、>>1が村上春樹であるかないかという違い以外でだ。春樹好きのコメントはなく、春樹嫌いのコメントばかりで溢れているのがその証拠だ。だが、取り組みは好き。
51 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 12:41 ▼このコメントに返信 これでもしスレタイが「ラノベ版けいおん」とかだったらくっさコメントの嵐だったに違いないw
52 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 13:15 ▼このコメントに返信 さすがにラノベと村上春樹は違うと感じるけどな
しかし比喩の出てくる頻度の再現度高いな
53 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 13:35 ▼このコメントに返信 4コマ漫画のけいおんに萌えながら村上春樹を批判するお前らホントかっこいい
54 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 13:37 ▼このコメントに返信 村上春樹読んだことないけどこんな痛々しい文なのか
55 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 14:16 ▼このコメントに返信 ※54
批評家さんかっこいい!!
死ね
56 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 15:21 ▼このコメントに返信 言い回しがくどい気がする
食べ物で表現するなら、こってりラードにんにくマシマシラーメン
同じ回りくどさならまだ川端康成の方が読みやすいし、なんで村上春樹がここまで持ち上げられるのかわからん
少なかれず、私は村上春樹の文章が好きではないと思った(小並感)
57 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 16:15 ▼このコメントに返信 面白そう
58 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 16:44 ▼このコメントに返信 春樹は川端大江と違う
59 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 18:03 ▼このコメントに返信 やれやれ、僕は射精した
60 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 18:06 ▼このコメントに返信 村上春樹はあまり知らないが、とても面白い書き方だった。読んでいてワクワクしちゃうね
61 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 18:43 ▼このコメントに返信 お前ら村上春樹をダシに使うことで、正当な評価をすることを避けてないか?
これだけ村上節を上手く表現してみせた1に対する評価を。
62 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 19:53 ▼このコメントに返信 長編小説は好きじゃないけど短編とエッセイは好き
63 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 20:31 ▼このコメントに返信 米22
村上春樹はあんま好きじゃないけど、むかしなんかのアンソロジーで「幸運としての渡辺昇」っていう二つの連続した短編を読んだんだけど、それはすごい好き
64 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月11日 20:52 ▼このコメントに返信 さりげなくムギの眉毛disられてるw
65 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月12日 00:45 ▼このコメントに返信 ※55
低脳ブサヨ乙w
66 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月12日 00:58 ▼このコメントに返信 ファンが苦手
67 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月12日 18:19 ▼このコメントに返信 煙草にあんまり突っ込まれてなくて草
68 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2014年11月12日 19:27 ▼このコメントに返信 ファンが宗教じみてるのがちょっと不気味なんだよな…
69 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2015年10月07日 23:04 ▼このコメントに返信 女性ではなく女の子だな
書き直し!
70 名前 : 暇つぶしの名無しさん投稿日:2015年10月08日 22:53 ▼このコメントに返信 実際に本物を読んでみれば分かるけど・・・・・・
まさにこんな感じだよw